宅建・史上最年少合格者の父による宅建合格ブログ

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抵当権のまとめ【権利】

──抵当権とは何か?

例えば、BがAから1,500万円を借り入れた。Aはその担保(被担保債権)として、B所有の建物に抵当権を設定・登記した。

この場合、債権者のAを抵当権者といい、債務者のBを抵当権設定者という。

そして万一、Bの返済が滞ってしまった場合、Aは抵当権を実行してB所有の建物を競売にかけ、そこからAは、他に優先して債権を回収することができる。これが「抵当権」である。

抵当権は、当事者の合意のみで成立し、登記が対抗要件となる。

もしBに、抵当権を設定するような宅地や建物がなかった場合、第三者がBに代わって、第三者所有の宅地や建物に抵当権を設定・登記することも可能である。この第三者のことを物上保証人という。

一つの不動産に、複数の者が融資をし、抵当権を設定・登記することもできる。この場合、融資をした債権者の優先順位は、融資額の大きさではなく、登記の先後によって決める。

抵当権を設定・登記できるのは、不動産(所有権)、地上権、永小作権の3つだけである。

──抵当権の4つの性質

抵当権には、次の4つの性質がある。

【付従性】

抵当権設定者が抵当権者に、債務をすべて弁済すれば抵当権は消滅する。

【不可分性】

弁済額が全額(100%)に満たない限り、抵当目的物の全部に抵当権の効力が及び続ける。

【随伴性】

債権が第三者に譲渡(債権譲渡)されると、抵当権も一緒に移転する。

【物上代位性】

例えば、抵当目的物が火災で滅失した場合、債権者は債務者の火災保険金から弁済を受け取ることができる。ただし債権者は、火災保険金が債務者に支払われる前に差し押さえる必要がある。

*現在は存在しなくても、将来発生することが明白な債権ならば、それを担保として抵当権を成立させることも可能(付従性の緩和)。


──抵当権の順位・変更・登記

原則として、抵当権の順位は、登記の先後による。そして、先順位の抵当権が消滅すれば、後順位の抵当権が繰り上がる仕組みだ。

また抵当権の順位を変更することもできる。順位を変更するには、各抵当権者の合意利害関係者の承諾の2つが必要となり、そのための登記をしなければ効力は生じない。

──抵当権の効力が及ぶ範囲

宅地と建物は別個の不動産なので、どちらか一方に設定された抵当権の効力は、他の一方には及ばないのが原則である。ここでは、抵当権の効力が及ぶものを列挙してみた。

【従物への効力】

建物に抵当権を設定した後に増築した場合、増築した部分(付加一体物)にも抵当権の効力は及ぶ。抵当権の設定時から存在していた家屋の畳などの従物にも抵当権の効力は及ぶ。

【果実への効力】

抵当権は、その担保する債権に不履行があった場合、その後に生じた抵当目的物の果実(賃料など)にも効力が及ぶ。

【借地権への効力】

借地上の建物に抵当権が設定された場合、従たる権利として借地権にも効力が及ぶ(盲点)。

【利息等への効力】

利息等については、原則として最後の2年分についてのみ、抵当権の行使が認められる。なお、この規定は後順位抵当権者等の保護を目的にしたものであるため、他に債権者がいなければ、最後の2年分に制限されない。

──法定地上権と一括競売

【法定地上権】

法律上、設定したものとみなされる地上権のことを法定地上権という。法定地上権が成立するためには、次の3つの条件をすべて満たす必要がある。

❶抵当権の設定当時、土地上に建物があり、その土地と建物の所有者が同一人であった。
❷土地と建物のどちらか一方、または両方に抵当権が設定されていた。
❸抵当権の実行により、土地と建物の所有者が別々になった。

〈上記❶の補足〉建物については、必ずしも登記を必要としない。抵当権の設定後に、建物が滅失し、同様の建物が再築された場合も可。

【一括競売】

更地に抵当権を設定した後、その土地上に建物が建てられた。抵当権の実行により、抵当権者は土地と建物を一括競売できるが、優先弁済を受けられるのは土地の代金からだけである。

──抵当権と第三者の関係

抵当不動産は、その所有者(抵当権設定者)が自由に使用・収益・処分できることが原則だ。つまり抵当権者の承諾なしに、抵当不動産を第三者に譲渡したり、賃貸することも可能である。

第三取得者が、抵当権者の請求によって代価を弁済した場合、第三取得者のために抵当権は消滅する。

──抵当権消滅請求

【請求権者と請求する時期】

逆に、第三取得者が抵当権者に対し、抵当権を消滅させてほしい旨の請求をした場合、代価または一定額を支払うことによって抵当権を消滅させることができる(抵当権消滅請求)。

ただし、抵当権の実行としての競売による差し押さえの効力が発生する前に、抵当権者に対して抵当権消滅請求をしなければならない。

なお、抵当権消滅請求ができるのは抵当不動産の第三取得者のみであって、主たる債務者や保証人はすることができない。

【請求の方法と消滅の時期】

第三取得者が、登記をした各抵当権者に対し、弁済する金額等を記載した書面を送付する。

各抵当権者の全員がこれを承諾し、弁済を受ければ抵当権は消滅する。

各抵当権者の誰か一人でも金額に納得しない場合、書面の送付を受けた後、2ヶ月以内に抵当権実行の申立てをしないと、各抵当権者がこれを承諾したものとみなされる

なお、抵当権者が抵当権を実行する場合、第三取得者に通知する義務はない。

──建物賃借人の保護

抵当不動産を賃借した者は、抵当権者や買受人に賃借権を対抗できないのが原則である。

例外的に、この賃貸借に登記があり、その登記前に、登記をした抵当権者が賃借人と交わした同意の登記がある場合は賃借権を対抗できる。

また抵当不動産を賃借した者は、抵当権の実行による買受けの時から6ヶ月の間、原則として買受人に引渡しを拒否することができる。

ただし、引渡しを拒否できるのは建物だけであって、土地は拒否できない。

*抵当権と賃借権では、先に登記を備えた方が優先する。後順位の賃借権でも、先順位の抵当権者全員の同意を得てその旨を登記すれば、抵当権に対抗することができる。

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抵当権のまとめ【権利】|パパリン宅建士
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