──一問一答に賭ける
10月18日(日)の本試験まで、残り一ヶ月と迫ったこの時点で、これまで勉強してきて何か一冊でも消化できたものがあるだろうか?
どれも未消化のまま本試験を迎えることになった場合、合格は相当に厳しくなる。
その劣勢を少しでも挽回するために、次の2点を提案したい。
①一問一答集をマスターする。
②宅建業法の分野別過去問をマスターする。
マスターというのは、最低でも正答率・正解率が95%以上のことだ。もちろん、順序としては①→②となる。
もし今の時点で、何一つとして消化できていないのなら、まず①の一問一答集のマスターを心掛けてほしい。その際、答の解説も隅々までしっかり読んで疑問点をなくしておく。
残りの日数を考えたら、収録問題数の多い一問一答集はお勧めできない。しかも予想問ではダメで、過去問ベースの一問一答に限る。
今この時点で、私がお勧めできるものはただ一つ、TACの『一問一答セレクト600』だけである。
以前に私は、一問一答は6月末、遅くとも7月末までには終わらせておくように述べた。だが今この時点で、何一つ終わっていなければ話は別だ。
合格レベルが10だと仮定して、ここまで4にも達していない人は、とにかくTACの一問一答を終わらせる。9月末までかかっても構わないので、是が非でもマスターしてほしい。
もちろん、この一冊のみでは合格できない。だが、これがベースとなり核となるのだ。
9月末までに、最低でも95%以上の正答率を叩き出せれば、まだまだ合格の可能性は残されている。
あくまでも私の見立てだが、TACの一問一答をマスターできれば、次の点数が期待できる。
権利┄┄┄6点
業法┄┄14点
法令┄┄┄4点
税その他┄4点〔計28点〕
これに統計と民法や建築基準法の改正分を加算すれば、さらに2点以上が上乗せされるため、30点に届く計算になる。
▶統計データのまとめ
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/06/18/192153
▶建築基準法の法改正
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/07/10/201545
タイムリミットは9月末。
このように核さえ作り出せれば、あとはそれに肉付けするだけなのだ。
──業法の過去問を究める
9月末までにTACの一問一答を完全マスターできたのなら、次にやるべきは業法の分野別過去問である。具体的には、LECの『ウォーク問❷宅建業法』ということになる(日建でも可)。
TACの「わかって合格る」シリーズの分野別過去問という手もあるが、全範囲を満遍なく学習するよりも、業法に特化した対策を立てた方がより合格に近付けるというのが私の考えだ。
一応、最低限の知識はTACの一問一答で学習してあるので、権利や法令が全然ダメということにはならない。別途、対策を立てるのなら、業法をマスターしたあとに立てればいい。
私はこれまで、一問一答にしろ分野別過去問にしろ、最終的には95%以上の正答率・正解率をクリアするように主張してきた。
だが業法に特化した学習をするのなら、95%では足りない。限りなく100%を目指してほしい。
特に近年の業法は、個数問題もさることながら、問題自体が全体として難化傾向にある。曖昧な知識や付け焼き刃の知識では対処できなくなっているのだ。
昨年、模試で15~17点くらいだった人が、本試験では11点しか得点できなくて落ちた人がいた。コンスタントに18点以上を取っている人は、そこまで点数を落とすことはない。
業法を仕上げられなかった人にありがちな悲劇である。だからこそ業法に関しては95%ではなく、100%を目指さなければならないのだ。
TACの一問一答と統計で30点前後をゲットし、業法でさらに4~5点の上乗せを図る。そうすれば、合格ラインの35点が見えてくる。五分五分くらいにはなれる。
その上、なお余力があれば、『ウォーク問❸法令上の制限・税・その他』にも手を付ける。その際、時間がなければ、特AとAの問題に絞るのも一つの手だ。
現状、10分の4未満の人が、ここまで消化できれば上出来だろう。そのためには何度もいうが、TACの一問一答を9月末までに完全マスターすることが条件となる。この一問一答集が、合否のカギを握っているといっても過言ではないのだ。
一問一答セレクト600→ウォーク問❷宅建業法
この2冊だけでも33~35点くらいにはなる。ただし注意点がある。どちらも95%ではなく、100%の完全マスターを心掛けてほしいということ。
傍らに置いておくテキストは、『とらの巻』が一冊あればいい。それも通読用としてではなく、調べるための一冊として。
今がどんな状況であれ、どれだけ未完成であったとしても、諦めさえしなければ合格の可能性はまだ残されている。だから自分を信じて、最後まで食らい付いていってほしい。