宅建・史上最年少合格者の父による宅建合格ブログ

宅建・史上最年少合格者(当時小6)の父による宅建合格ブログです。これから宅建士試験にチャレンジする方々(特に独学で頑張っている人)に、最短距離で合格を勝ち取るためのノウハウを提供します。ぜひ一読してみてください。

宅建12年分のデータの推移

──はじめに

宅建試験は相対評価の試験なので、合格点(合格基準点)は一定しない。全体的に難しければ合格点は低くなり、易しければ高くなる。

ここ12年間のデータだけを見ても、合格点は31点~37点と、実に6点もの開きがある。50点満点の試験にもかかわらず、である。

試験が難しくても易しくても、上位15~18%の間に合格者が収まるように調整しているようだ。そういう意味では、至って平等な試験ともいえる。

あくまでも推測だが、合格者30,000人という数も、機構側が一つの目安にしているのかも知れない。

さて、以下のデータは、ググれば簡単に見付け出すことができ、別段真新しいものではない。それでも最初の「基本データの推移」を除けば、調べるのに少し時間がかかるかも知れない。

そういう手間をかけることなく、この記事を見れば一目瞭然というものを残しておきたかった。宅建試験に直接役立つものではないが、あればきっと便利に違いない。例えば、

「平成27年度の合格基準点は何点だっけ?」

と訊かれれば、

「31点」

とすぐに答えることができる。

そういう雑学にも似た便利なツールとして利用していただければ幸いである。

──基本データの推移

【2008年/平成20年】

申込者数:260,591人
受験者数:209,415人
合格者数:33,946人
合格率:16.2%(女性17.6%、男性15.7%)
合格点:33点以上

【2009年/平成21年】

申込者数:241,944人
受験者数:195,515人
合格者数:34,918人
合格率:17.9%(女性18.8%、男性17.5%)
合格点:33点以上

【2010年/平成22年】

申込者数:228,214人
受験者数:186,542人
合格者数:28,311人
合格率:15.2%(女性15.8%、男性14.9%)
合格点:36点以上

【2011年/平成23年】

申込者数:231,596人
受験者数:188,523人
合格者数:30,391人
合格率:16.1%(女性17.4%、男性15.7%)
合格点:36点以上

【2012年/平成24年】

申込者数:236,350人
受験者数:191,169人
合格者数:32,000人
合格率:16.7%(女性17.5%、男性16.5%)
合格点:33点以上

【2013年/平成25年】

申込者数:234,586人
受験者数:186,304人
合格者数:28,470人
合格率:15.3%(女性17.5%、男性14.4%)
合格点:33点以上

【2014年/平成26年】

申込者数:238,343人
受験者数:192,029人
合格者数:33,670人
合格率:17.5%(女性19.0%、男性17.0%)
合格点:32点以上

【2015年/平成27年】

申込者数:243,199人
受験者数:194,926人
合格者数:30,028人
合格率:15.4%(女性16.7%、男性14.9%)
合格点:31点以上

【2016年/平成28年】

申込者数:245,742人
受験者数:198,463人
合格者数:30,589人
合格率:15.4%(女性17.0%、男性14.7%)
合格点:35点以上

【2017年/平成29年】

申込者数:258,511人
受験者数:209,354人
合格者数:32,644人
合格率:15.6%(女性16.8%、男性15.1%)
合格点:35点以上

【2018年/平成30年】

申込者数:265,444人
受験者数:213,993人
合格者数:33,360人
合格率:15.6%(女性16.8%、男性15.0%)
合格点:37点以上

【2019年/令和元年】

申込者数:276,019人
受験者数:220,797人
合格者数:37,481人
合格率:17.0%(女性18.5%、男性16.3%)
合格点:35点以上

──最高齢&最年少合格者の推移

【平成20年度】

合格者の平均年齢:33.9歳
最高齢合格者:79歳(三重県)
最年少合格者:15歳(和歌山県)

【平成21年度】

合格者の平均年齢:35.1歳
最高齢合格者:82歳(愛知県)
最年少合格者:15歳(神奈川県)

【平成22年度】

合格者の平均年齢:34.9歳
最高齢合格者:81歳(神奈川県)
最年少合格者:15歳(大阪府)

【平成23年度】

合格者の平均年齢:35.4歳
最高齢合格者:78歳(埼玉県)
最年少合格者:16歳(神奈川県)

【平成24年度】

合格者の平均年齢:35.5歳
最高齢合格者:83歳(東京都)
最年少合格者:16歳(奈良県)

【平成25年度】

合格者の平均年齢:34.7歳
最高齢合格者:78歳(長野県)
最年少合格者:15歳(東京都)

【平成26年度】

合格者の平均年齢:35.3歳
最高齢合格者:77歳(大阪府)
最年少合格者:12歳3ヶ月(愛知県)

*平成18年度の最年少合格は12歳11ヶ月(大阪府)

【平成27年度】

合格者の平均年齢:35.0歳
最高齢合格者:83歳(神奈川県)
最年少合格者:13歳(神奈川県)

【平成28年度】

合格者の平均年齢:35.3歳
最高齢合格者:77歳(東京都)
最年少合格者:16歳(京都府)

【平成29年度】

合格者の平均年齢:35.3歳
最高齢合格者:89歳(茨城県)
最年少合格者:13歳(福岡県)

*史上最高齢合格は平成17年度の90歳(福岡県)

【平成30年度】

合格者の平均年齢:34.9歳
最高齢合格者:80歳(京都府)
最年少合格者:16歳(福岡県)

【令和元年度】

合格者の平均年齢:35.4歳
最高齢合格者:89歳(茨城県)
最年少合格者:14歳(茨城県)

──5問免除者の合格データ

【平成20年度】

合格者数:8,690人
合格率:22.6%
合格点:28点以上(45点満点)

【平成21年度】

合格者数:9,726人
合格率:26.6%
合格点:28点以上

【平成22年度】

合格者数:6,697人
合格率:19.7%
合格点:31点以上

【平成23年度】

合格者数:6,674人
合格率:19.3%
合格点:31点以上

【平成24年度】

合格者数:8,100人
合格率:22.6%
合格点:28点以上

【平成25年度】

合格者数:7,796人
合格率:21.0%
合格点:28点以上

【平成26年度】

合格者数:10,010人
合格率:24.9%
合格点:27点以上

【平成27年度】

合格者数:8,438人
合格率:20.2%
合格点:26点以上

【平成28年度】

合格者数:8,821人
合格率:20.0%
合格点:30点以上

【平成29年度】

合格者数:9,464人
合格率:19.9%
合格点:30点以上

【平成30年度】

合格者数:10,364人
合格率:20.6%
合格点:32点以上

【令和元年度】

合格者数:11,838人
合格率:22.9%
合格点:30点以上

──職業別の合格者比率

【平成20年度】

不動産業:32.6%
建設業:11.4%
金融業:8.9%
他業種:22.5%
学生:10.3%
主婦:4.3%
その他:9.8%

【平成21年度】

不動産業:32.7%
建設業:11.3%
金融業:9.1%
他業種:23.2%
学生:8.3%
主婦:3.9%
その他:11.6%

【平成22年度】

不動産業:28.5%
建設業:10.4%
金融業:10.0%
他業種:23.8%
学生:9.8%
主婦:3.9%
その他:13.5%

【平成23年度】

不動産業:27.7%
建設業:10.7%
金融業:9.4%
他業種:24.9%
学生:9.5%
主婦:4.7%
その他:13.2%

【平成24年度】

不動産業:30.3%
建設業:10.7%
金融業:9.7%
他業種:23.6%
学生:9.9%
主婦:4.4%
その他:11.5%

【平成25年度】

不動産業:33.1%
建設業:10.3%
金融業:7.6%
他業種:23.2%
学生:10.6%
主婦:4.3%
その他:10.9%

【平成26年度】

不動産業:34.1%
建設業:10.7%
金融業:8.7%
他業種:22.4%
学生:10.5%
主婦:4.0%
その他:9.6%

【平成27年度】

不動産業:33.2%
建設業:10.7%
金融業:8.8%
他業種:23.6%
学生:9.8%
主婦:4.2%
その他:9.6%

【平成28年度】

不動産業:33.6%
建設業:10.0%
金融業:9.0%
他業種:23.3%
学生:11.1%
主婦:4.4%
その他:8.6%

【平成29年度】

不動産業:34.4%
建設業:9.6%
金融業:10.0%
他業種:23.1%
学生:11.5%
主婦:3.9%
その他:7.5%

【平成30年度】

不動産業:36.8%
建設業:9.8%
金融業:9.5%
他業種:22.0%
学生:11.0%
主婦:4.0%
その他:6.7%

【令和元年度】

不動産業:36.8%
建設業:9.9%
金融業:10.1%
他業種:21.3%
学生:11.4%
主婦:3.9%
その他:6.6%

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最短ルートを考察する

──一問一答に賭ける

7月末のこの時点で、これまで勉強してきて何か一冊でも消化できたものがあるだろうか?

どれも未消化のまま本試験を迎えることになった場合、合格は相当に厳しくなる。その劣勢を少しでも挽回するために、次の2点を提案したい。

①一問一答集をマスターする。
②宅建業法の分野別過去問をマスターする。

マスターというのは、最低でも正答率95%以上のことだ。もちろん、順序としては①→②となる。

もし今の時点で、何一つとして消化できていないのなら、まず①の一問一答集のマスターを心掛けてほしい。この問題集は解説が詳しいので、隅々までしっかり読んで疑問点をなくしておく。

残りの日数を考えたら、収録問題数の多い一問一答集はお勧めできない。しかも予想問ではダメで、過去問ベースの一問一答に限る。

今この時点で、私がお勧めできるものはただ一つ、TACの『一問一答セレクト600』だけである。

以前に私は、一問一答は6月末、遅くとも7月末までには終わらせておくように述べた。だが今この時点で、何一つ終わっていなければ話は別だ。

合格レベルが10だと仮定して、ここまで3にも達していない人は、とにかくTACの一問一答を終わらせる。8月末までかかっても構わないので、是が非でもマスターしてほしい。

もちろん、この一冊のみでは合格できない。だが、これがベースとなり核となるのだ。8月末までに、最低でも95%以上の正答率を叩き出せれば、まだまだ合格の可能性は残されている。

あくまでも私の見立てだが、TACの一問一答を完全マスターできれば、次の点数が期待できる。

 権利┄┄┄6点
 業法┄┄14点
 法令┄┄┄4点
 税その他┄4点〔計28点〕

これに統計分を加算すれば、さらに1点が上乗せされる。運が良ければ30点だって夢ではない。

統計データのまとめ
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/06/18/192153

タイムリミットは8月末。このように核さえ作り出せれば、あとはそれに肉付けするだけなのだ。

──業法の過去問を究める

8月末までにTACの一問一答を完全マスターできたのなら、次にやるべきは業法の分野別過去問である。具体的には、LECの『ウォーク問❷宅建業法』ということになる(日建でも可)。

TACの「わかって合格る」シリーズの分野別過去問という手もあるが、全範囲を満遍なく学習するよりも、業法に特化した対策を立てた方がより合格に近付けるというのが私の考えだ。

一応、最低限の知識はTACの一問一答で学習してあるので、権利や法令が全然ダメということにはならない。別途、対策を立てるのなら、業法をマスターしたあとに立てればいい。

私はこれまで、一問一答にしろ分野別過去問にしろ、最終的には95%以上の正答率・正解率をクリアするように主張してきた。

だが業法に特化した学習をするのなら、95%では足りない。限りなく100%を目指してほしい。

特に近年の業法は、個数問題もさることながら、全体として難化傾向にある。曖昧な知識や付け焼き刃の知識では対処できなくなっているのだ。

昨年、模試で15~17点くらいだった人が、本試験では11点しか得点できなくて落ちた人がいた。コンスタントに18点以上を取っている人は、本試験でそこまで点数を落とすことはない。

業法を仕上げられなかった人にありがちな悲劇である。業法に関しては95%ではなく、100%を目指さなければならない理由がまさにここにある。

TACの一問一答で28点前後をゲットし、業法でさらに4~5点の上乗せを図る。これに統計や法改正などの対策を立てれば、合格ラインの35点が見えてくる。五分五分くらいにはなれる。

その上、なお余力があれば、残りの2冊の『ウォーク問』にも手を付ける。その際、時間がなければ、特AとAの問題に絞るのも一つの手だ。

現状、10分の3未満の人が、ここまで消化できれば上出来だろう。そのためには何度もいうが、TACの一問一答を8月末までに完全マスターすることが条件となる。この一問一答が、合否のカギを握っているといっても過言ではないのだ。

一問一答セレクト600→ウォーク問❷宅建業法

この2冊だけでも32~34点くらいにはなる。ただし注意点がある。どちらも95%ではなく、100%の完全マスターを心掛けてほしいということ。

傍らに置いておくテキストは、『とらの巻』が一冊あればいい。それも通読としてではなく、調べるための一冊として(調べ用としては『パーフェクト宅建の要点整理』も一考に値する)。

今がどんな状況であれ、どれだけ未完成であったとしても、諦めさえしなければ合格の可能性はまだ残されている。だから自分を信じて、最後まで食らい付いていってほしい。

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ウォーク問を分析する

──はじめに

分野別過去問の最高峰、LECの『ウォーク問』の構成と使い方について少し述べてみたいと思う。

年度別に代表される過去10~12年間の過去問集であれば、直近の10~12年ということだから、最近の出題傾向にあった問題群といえる。

しかしながら過去問には、悪問、奇問の類いもあるのだから、過去◯◯年にこだわれば、自ずとそういう問題も掲載されることになる。

その点『ウォーク問』は、1990年(平成2年)以降の過去問の中から、悪問、奇問の類いを除いた選りすぐりの良問がセレクトしてあるのだ。

とはいえ、平成前半の問題より、後半の問題の方が多めにセレクトしてあるので、全体としては近年の出題傾向を反映していると言えなくもない。

むしろ平成初期から中期にかけて、頻出論点として繰り返し問われてきた定番ともいえる良問が、時代の流れに埋もれてしまうことなく取り上げられているのは特筆すべきことだと思う。

また『ウォーク問』は、各問題の重要度に応じて、特A、A、B、Cの表記がされている。特AとAだけでも全体の73%を占めるので、当面の目標として、これらの完全マスターを心掛けてほしい。

なお、最新の令和元年の本試験問題は、免除科目の統計を含めすべてが収められている。

──❶権利関係

 特A┄┄21題
  A┄┄68題
  B┄┄64題
  C┄┄16題〔計169題〕

権利関係では、特Aが21題と少なく、AとBが60台で拮抗している。出題率の低いCも16題ある。

当面、特AとAのマスターを心掛け、それらが仕上がったらBを手掛ける、というやり方で進めていってほしい。

Cに関しては、余裕があればやれば良いし、余裕がなければスルーしても構わない。

特A~Bまでが終わったら、Cをやるよりも、「改正民法の条文穴埋め&一問一答」シリーズの赤文字のタイトルを手掛けてもらいたい。

権利で10点を獲りにいく
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/05/21/194145

改正民法での出題となる今年は、過去問だけではどうしても抜けが出てしまう。その抜けを補充するためにも、法改正対策が必要となるのだ。

LECの『ウォーク問❶』に加え、これら法改正にまで手が回れば、権利関係で10点の大台に乗せることも不可能ではないと私は思っている。

──❷宅建業法

 特A┄119題
  A┄┄52題
  B┄┄┄9題
  C┄┄┄0題〔計180題〕

一見して分かるように、宅建業法にC問題は一つもない。圧倒的に特Aが多く、次いでAと続く。この2つで実に95%を占める。Bは僅かに9題だ。

宅建業法は、本試験の問題数が20題もあり、難易度も高くないため得点源にしなければならない。B問題を含めて完全マスターを心掛けてほしい。

私は以前に、何度も「過去問は95%以上の正解率を目指してほしい」と述べた。しかし宅建業法に限っていえば、95%ではなく100%である。

近年、宅建業法に個数問題が増えてきていることもあって、生半可な知識では通用しなくなってきている。ここで受験生に求められているのは、肢レベルでの完璧な知識、パーフェクトな知識なのだ。

他の分野と違って、業法は過去問の焼き直し率が高い。9割を超えている。よって『ウォーク問❷』さえ完璧ならば、18点以上は普通に得点できる。

権利や法令の正解率が9割止まりだったとしても、こと業法に関しては10割、つまり100%にしなければならないのである。

──❸法令上の制限・税・その他

 特A┄┄41題
  A┄101題
  B┄┄52題
  C┄┄┄7題〔計201題〕

法令上の制限はやや変則で、A問題が全体の5割を超える。次いでB→特Aときて、Cは7題のみだ。

ここも権利と同じく、特AとAをまず先にマスターする。この2つで全体の7割を占める。次にB問題を手掛け、Cはやってもやらなくても良い。

問題は税と価格の評定である。価格の評定とは、地価公示法と不動産鑑定評価基準のこと。毎年、どちらかが出題される。不動産鑑定評価基準がやや難しいが、どちらも過去問マスターで対応できる。

税に関しては、得意な人は全部マスターした方がいいが、そうでなければ、とりあえず不動産取得税と固定資産税をマスターする。これも毎年、どちらかが出題される。

所得税(譲渡所得)は難しいので、苦手な人や時間のない人はスルーしても構わない。

他に印紙税に登録免許税、贈与税などもあるが、時間がなければこれもスルー。強いていえば、印紙税だけはやっておいた方がいいかも知れない。

その他の免除科目(5問免除)については、統計を除き、過去問のマスターのみで3~4点狙える。統計もきちんと対策を立てれば、更に1点が上乗せになるから、ここは普通に4点以上を得点できる。

この『ウォーク問❸』については、C問題と税の一部を省いても構わないが、それ以外は、業法と同様に完全マスターを心掛けてほしい。

──肢レベルで究めること

言うまでもなく、『ウォーク問』を消去法で解いて終わりにしてはいけない。たとえ消去法で正解を導き出したとしても、正解肢ではない残りの肢もしっかり分析する。

肢レベルで究める、とはそういうことだ。全体の正解率が95%を超えていたとしても、単に正解肢の番号を覚えていただけかも知れない。肢レベルで理解していれば、そういった心配もなくなる。

私はこれまで、「過去問の正解率95%以上」を事あるごとに唱えてきたが、もう少し突き詰めていうのなら、「肢レベルの理解」もこれに加えたい。

 正解率95%以上+肢レベルの理解

LECの『ウォーク問❶~❸』を回して、これら2つが真に身に付いていれば、それだけで合格基準点は余裕で超える。40点だって夢ではない。

私が宅建合格を目指していた頃、ネットでLECの講師の方(名前は失念)が、

「ウォーク問は20回転させてください」

と語っていたのを覚えている。

その言葉は、当時の私には衝撃だった。今でも私の脳裏に焼き付いていて離れない。

実際に20回転させるかどうかは別にして、それくらいの意気込みで『ウォーク問』に取り組んでほしいということだろう。

仮に5回転しかできなかったとしても、その内容が20回転に匹敵するほど充実しているのなら問題ない。私はそう捉えて取り組んだ。

だから私は、『ウォーク問』は最終的に7回転しかしていない。しかし20回転したのと同じくらい内容的には充実したものがあった。実際、これで合格できたのだから間違いではなかったと思う。

皆さんもぜひ、20回転はムリでも、それに匹敵するくらいの内容で『ウォーク問』に取り組んでいただきたい。肢レベルでの理解を心掛けて。

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論点を刻み込む

──過去問vs予想問

どちらも似たようなものだと思うだろうか?

例えば、年度別過去問を使って平成29年度の問題を解いたとしよう。この年の合格基準点は35点だった。仮に、初見ではなく、何度か過去問を繰り返した上での40点だったとする。

この40点と、直前予想模試を初見で解いたときの40点とは、天と地ほどの差とまでは言わないが、富士山とエベレストくらいの差はある。

初見でどちらも40点ならばそれほどの差は付かないが、何度か繰り返した後での40点と、初見の40点とではまったく意味が異なるということ。

いやそれ以前に、そもそも使用目的が異なる。私は年度別より分野別を推しているが、分かりやすくするために、ここでは年度別を取り上げてみた。

過去問集を使う本当の意味は、単にアウトプットするだけではない。過去問の一つ一つの肢を丁寧に分析し、その論点を吸収する。

そういったインプット作業を含めての過去問学習である。この部分が、アウトプット主体の予想問とは本質的に異なるのだ。

年度別でも分野別でもそれは同じ。過去問=アウトプットという画一的な考えしかしていないと、必ず行き詰まるときがくる。市販模試や会場模試でも思ったような点数が取れない。

宅建試験では、テキストより過去問の方が何倍も大切だ。もちろん、それには理由がある。

ご存知のように宅建試験は、過去問の焼き直し問題が、全体の6~8割を占める試験である。平均すると約7割。この焼き直し率は、他の法律系の資格試験よりも高い(行政書士試験だと約4割)。

また宅建試験には、試験問題に独特な言い回しがあり、問題文も長めだ。過去問でこの言い回しに慣れておかないと本試験で足をすくわれかねない。

テキストだけではこの訓練ができないのだ。テキスト至上主義者が合格しにくいのは、主としてこのためではないかと思われる。

宅建試験では、過去問を自身の血肉となるまで、何度も繰り返さなければならない。過去問の一つ一つの肢に内包された論点をすくい上げ、自身の脳裏に焼き付ける。その繰り返しが大切なのだ。

過去問=アウトプット+インプット(論点の吸収)
予想問=アウトプット主体

この違いはしっかり理解しておいてほしい。

──宅建・唯一の論点集

一問一答や四択過去問で、繰り返し学習しているのだが、正解率(正答率)が8割前後で頭打ちになっている受験生の声をときどき耳にする。

ただ漠然と過去問を解くだけでは、肝心の論点が抑えられない。恐らくその部分が曖昧だから、次のステージへと加速できないのだ。

吸収すべき論点を理解し、自身の中に取り入れる。意識して取り入れる。そしてそれを脳裏に刻み込み、自身の血肉とする。

このプロセスがいい加減だと、当然のことながら、過去問の正解率も伸び悩む。

というか、その部分で伸び悩んでいる人は、そもそも論点の意味を理解しているのだろうか?

以前に私は、ブログ記事の中で、論点の意味について触れたことがある。

▶過去問を解く意味とは?
https://www.paparing-takkenshi.com/entry/2020/01/18/185515

この記事を読んでいただければ、大抵の人は論点が何なのかを理解できると思う。それでもなお、

「論点とはなんぞや」

という方には、次のLECの書籍をお薦めしておく。

本のタイトルこそ『最重要ポイント555』だが、要は宅建試験に必要な論点を555集めたものだ。言い換えれば「宅建試験の論点集」である。

宅建試験用の市販教材は数多くあれど、論点集となればこれが唯一ではないだろうか?

過去問の正解率が8割前後で停滞してしまっている人は、論点を吸収する以前に、論点が何かを明確に理解できていないように思う。

そういう受験生にとっては、この論点集は大いに参考になるはずである。

問題を解いた後に論点をすくい上げるのではなく、最初に論点が提示してある点が良い。

そのすぐ後に「一問一答」も用意されているが、論点を確認するためのものだから、答えは◯✕のみで解説はない(一問一答の数は約1,000問)。

やはり以前に、私は「宅建試験には、およそ500~1,000の論点があるらしい」と述べた。

この教材の論点の数は555である。ここに記されている論点をすべてモノにできれば、恐らく合格ラインには到達する。

論点の意味が分かっていなかった人はもちろん、ある程度の実力者が、本試験前に論点の見落としがないかを確認するために用いるのも有効だろう。

メインの過去問集が『ウォーク問』であっても、手元に一冊あって損はない論点集だと思う。

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もう間に合わないかも?

──当たって砕けろ

この時期、こんな言葉が耳に入る。

「もう間に合わないかも、、」

せっかく合格を目指して頑張ってきたのに、そんな弱音を吐いてどうするの?

ここで諦めてしまって本当にいいの?

まだ3ヶ月ある。模試で半分以下の点数しか取れなかったとしても、諦めるにはまだ早い。頭の片隅に、少しでも「もしかしたら」という思いがあるのなら、願書の提出だけは済ませた方がいい。

「7,000円がもったいないから」

本当にそうか?

仮に落ちたとしても、本試験を経験したという事実が残る。これは他に変えがたいものだ。あの独特な雰囲気を経験していれば、来年受けた時にプレッシャーが半減する。より合格しやすくなる。

経験をお金で買うのだ。結果が悪くたっていい。この際、結果は二の次である。

何もしないで黙って見ているより、行動を起こして砕け散った方が10倍、いや100倍マシだ。

──本試験会場での奇妙な出来事

私が本試験を受けた当日、私の席の左斜め前に、初老のくたびれた感じの男性がいた。

リュックから過去問でも取り出すのかと思いきや、ジュンク堂と書いてある紙袋を取り出した。よく見ると、その中から帯付きの『らくらく宅建塾』の真新しいテキストが出てきた。

どうやら、この会場に来る途中でジュンク堂へ寄って買ってきたようだ。そしたら次に、ペンケースの中から黄色いマーカーを取り出し、おもむろに最初のページから塗り始めたのだ。

「おいおい、まさか今から勉強開始か?」

しばらく見ていると、

「う~ん、難しいなぁ」

などと独り言をつぶやいている。どうやら本当に、今から勉強を始めた模様。

まさか本試験が始まる直前に、しかも試験会場で初めて宅建の勉強を開始するなんて、、

「このおっさん、宅建試験を舐めてるな」

と私は思った。しかし一方で、

「もしかしたら只者ではないのかも」

とも思った。摩訶不思議な光景だった。

合格発表の日、インターネットで私の受験番号を確認したとき、その初老の男性の合否も気になったのでついでに調べてみた。

合格者の中に私の受験番号はあったが、その初老男性の番号は案の定なかった。私の番号の前10人と後15人が不合格だったのだから間違いない。

今は知らないが、当時は、受験番号をネットに打ち込めばそのすべての合否が確認できたからだ。

言い方は良くないが、こんな人でも本試験を受けにきていたのだ。だから皆さんも、合否にこだわらず本試験だけは受けてほしい。

もちろん、合格に手が届きそうな人は、頑張って合格をつかみ取ってもらいたい。

──最後まで諦めるな

毎年、約2割もの人が、受験料を支払ったにもかかわらず本試験を受けないでいる。

お金がもったいない、だけではない。本試験会場で独特の雰囲気を味わうチャンスを捨て、2時間で本試験問題を解き切る感覚さえ放棄する。

言葉はキツいが、敵前逃亡と同じことである。そんな人生で良いのか?

とにかく本試験だけは受ける。合否に関係なく、逃げないで受ける。こういうポジティブな姿勢が、合格を引き寄せるのだ。

初受験が20点に満たない人が、翌年には合格基準点を上回った例などいくらでもある。

本試験を受けなければ、この先の展望が見えてこない。受ければ、この先やらなければならないことが絞られてくる。目標が明確になるのだ。

だから諦めずに、本試験だけは受けてほしい。

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マークシート用紙の解答欄

──左右に分割された解答欄

登録講習を終了した「5問免除者」を除けば、宅建試験の問題は全部で50題である。従って、マークシート用紙の解答欄も、全部で50ヶ所ということになる(×4にすると200ヶ所)。

面白いことに、解答欄の左半分が25で、右半分が25ときれいに分割されている。他の資格試験と比べ、マークミスも起こりにくいといえる。

次の画像は、LECの『出る順宅建士 直前予想模試』に付されていたマークシート用紙に、私が少し手を加えたものだ。

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本試験でのマークシート用紙は黄色ではなく白で、大きさもLECのものより小さめである。正解番号を塗りつぶす枠も、実際はこれより小さい。ちなみにこの枠は「マークボックス」と言うらしい。

LECの予想模試は、問題の質は申し分ないのだが、このマークシート用紙が異様に大きいことだけが玉に瑕。10年以上前から変わっていない。

解答欄が左右に半分ずつ分けられてる点は、本試験と同じ仕様なのでその点は心配いらない。ただし、画像のように赤線や青線は引かれていない。

──分野ごとの番号と解く順序

以前に私は、「解く順序と時間配分」の中で、何番から何番までが、それぞれどんな分野に相当するのかを説明した。再度ここでも掲げてみる。

 _1~14 権利関係
 15~22 法令上の制限
 23~25 税など
 26~45 宅建業法
 46~50 免除科目

解答欄の左半分が、権利関係・法令上の制限・税など、右半分が、宅建業法・免除科目(5問免除)となっている。上の画像と照合して、解答欄の位置を目に焼き付けておいてほしい。

解く順序としては、右側の宅建業法から始めて、最後の免除科目までを一気に終わらせる。

次に左側の権利関係の1番から始めるか、15番の法令上の制限から始めるかは、権利と法令のどちらが得意で、どちらが不得意かによる。

もともと権利が得意な方は、オーソドックスに、1→50番という順に解いても大丈夫だろう。ただ一般的には、権利は難しくて解くのに時間もかかるので、最後に解いた方が無難である。

私や息子の健斗は、定石通り、26→50番、15→25番、1→14番という順序で解いていった。

──左右それぞれの目標点数

これは意外に知られていないことなので、私がここで触れておく。当時、小5の初受験で合格できなかった健斗に私はこう言った。

「マークシートの右半分で22点を狙うように」

と。右半分は、業法と免除だ。業法で20問中18点を確保し、免除で5問中4点をとる。もしこれができれば、合格基準点が37点の場合、左半分は15点とれば済むからだ。

すなわち、権利で14問中8点、法令で8問中6点とれれば、税などは3問中1点でいいことになる。

合格基準点が35点ならば、もっと少なくて済む。

もともと難易度も、左半分の方が右半分よりはるかに高い。それはもう圧倒的なほど。だから右半分でしっかり得点し、左は6割とれればOKなのだ。

この考え方、この戦略が浸透すれば、もっと分かりやすい目標設定ができるに違いない。先ほど合格基準点を37点と仮定してみたが、もう少し上の38点で考えてみる。そうすると更に分かりやすい。

右半分が、業法18点に免除4点の22点。左半分が、権利8点に法令6点、税など2点の16点だ。
主要3分野は、以前に私が、最低限必要な点として提示していたものと同じ点数。税などと免除も、やはり以前に目標設定していたものと同じ。

それらを合計すると「38点」となる。決して不可能な点数ではないのだ。左半分が16点で、右半分が22点ならば、十分に実現可能な点数である。

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──マークシートの読み取り方法

センター試験や資格試験など、マークシート用紙の試験の採点では、専用の読み取り機を使う。そして試験案内に、HBかBの鉛筆を使用するよう注意事項が記されているのには理由がある。

鉛筆でマークするタイプの試験では、マークシート用紙に付着した炭素に、近赤外線を当てて反射を読み取る仕組みとなっているからだ。

だから油性ボールペンなどはNGである。このことを知らない受験生が、油性ボールペンでマークしてしまい不合格となった例もある。単に黒色で塗り潰せばいい、というわけではないのだ。

一部、炭素を含んだゲルボールペンや黒の色鉛筆などでは反応することもあるらしい。しかし一度マークしてしまったらもはや消しゴムで消せないので、使わない方が無難である。

HBかBの鉛筆が推奨されているのは、その芯に含まれる炭素が最も反応しやすいからに他ならない。

こういった当たり前のことを、稀に知らない受験生がいるので注意していただきたい。



建築基準法の法改正

──はじめに

民法の大改正ほどではないが、建築基準法にも法改正があった。細かい法改正まで含めればキリがないが、宅建試験には重要だと思われる法改正を3つほど取り上げてみた。

言うまでもなく、宅建試験では法改正部分が狙われやすい。毎年、建築基準法は2題の出題があるが、そのうち1題(少なくとも1肢)は法改正問題ではないかと私は思っている。

統計問題と同様に、きちんと対策を立てて臨んだ人とそうでない人との差は歴然であろう。あとで後悔しないためにも、しっかり抑えてもらいたい。

また各小見出しの最後に、確認のための一問一答を付しておいたので実力試しにどうぞ。

──特殊建築物の建築確認の緩和

【法改正前】

一定の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100㎡を超えるものの新築等については、建築確認が必要となる。

【法改正後】

一定の用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200㎡を超えるものの新築等については、建築確認が必要となる。

100㎡超の床面積が200㎡超に緩和された。建築確認での緩和は珍しい。なお、特殊建築物および新築等とは、次に掲げたもののことをいう。

〈特殊建築物〉

劇場、映画館、学校、病院、診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、百貨店、マーケット、コンビニ、展示場、自動車車庫、倉庫など

〈新築等〉

新築、増築、改築、移転、大規模修繕、大規模模様替え、特殊建築物への用途変更(ホテル→旅館など類似した用途間での用途変更は含まない)

→これらのいずれかを行おうとする場合で、床面積の合計が200㎡を超えるときは、全国どの区域であっても「建築確認」が必要となる。

【一問一答でチェック】

❶事務所の用途に供する建築物をホテル(その用途に供する部分の床面積の合計が500㎡)に用途変更する場合、建築確認は不要である。◯か✕か?

❷建築主は、共同住宅の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が180㎡であるものの大規模の修繕をしようとする場合、当該工事に着手する前に、当該計画について建築主事の確認を受けなければならない。◯か✕か?


──建蔽率の制限の緩和

【法改正前】

建蔽率の限度が10分の8とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物の場合、建蔽率の限度に、10分の1が可算(緩和)される。

【法改正後】

⑴建築率の限度が10分の8とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物の場合、建蔽率の限度に、10分の1が可算(緩和)される。
⑵建築率の限度が10分の8とされている地域外で、かつ、準防火地域内にある耐火建築物または準耐火建築物の場合、建蔽率の限度に、10分の1が可算(緩和)される。
⑶商業地域など、建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物では10分の2が可算されて10分の10となり、建蔽率の制限そのものがなくなった。

語尾に「等」が付くことにより、建蔽率の制限も改正前よりは緩和されることになった。地域外と地域内もしっかり区別できるようにすること。80%地域+防火地域内+耐火建築物等=100%も重要。

【一問一答でチェック】

❸都市計画において定められた建蔽率の限度が10分の8とされている地域外で、かつ、防火地域内にある耐火建築物の建蔽率については、都市計画において定められた建蔽率の数値に10分の1を加えた数値が限度となる。◯か✕か?

❹建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ、防火地域内にある耐火建築物については建蔽率の限度が10分の9に緩和される。◯か✕か?


──防火壁等に関するもの

【法改正前】

耐火・準耐火建築物を除き、延べ面積が1,000㎡を超える建築物は、原則として、防火上有効な構造の防火壁によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。

【法改正後】

耐火・準耐火建築物を除き、延べ面積が1,000㎡を超える建築物は、原則として、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画し、かつ、各区画の床面積の合計をそれぞれ1,000㎡以内としなければならない。

防火壁だけではなく防火床も有効となった。

【一問一答でチェック】

❺準防火地域内において、地階を除く階数が3(高さ12m)、延べ面積1,200㎡で事務所の用途に供する建築物を建築しようとする場合、この建築物が耐火建築物である場合は、防火上有効な構造の防火壁又は防火床によって有効に区画しなければならない。◯か✕か?

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【答】❶ ✕ ❷ ✕ ❸ ◯ ❹ ✕(10分の10になるから制限なし) ❺ ✕(耐火・準耐火建築物は除く)